東南アジアの今


GW始めのある日、インターホンが鳴った。
受話器を取ると、「若い声」の男性が、地雷撤去の為の寄付を募っているという。
大都市という地域柄、時々宗教勧誘・新聞勧誘(新聞拡張員といって結構始末が悪い)などが時々やってくる。
その対策の為のインターホン設置。
話を戻して、寄付をすると、畳1畳分の地雷が撤去できるという。
「畳一畳分?」
1年もしない記憶で、あるTVドキュメンタリーで、東南アジアの地雷撤去の為の地道で命の危険を伴う撤去作業を行う場面を見た事がある。
ケーブルTVの「ヒストリーチャンネル」では、第2次大戦時に連合軍は、農耕車を改良したような機械でチェーンをグルグル回して地面に当てて地雷をあえて爆破させて除去するという方法を試していたという映像を見た。
「畳一畳分」の面積の地雷の撤去は、小さいようで大変危険な面積なのだという事を考えた時、その方に、その疑問をぶつけてみた。
そこから、その方との長い話が始まった。
パンフレットがあるという事で扉を開けたら、意外にも、決して若くはなかった方だった。声が若く聞こえたのだ。
(これはこういう飛び込み募金には不利だろうなぁと思いつつ)
パンフレットを見せてもらい、そこに記載されているURLと連絡先を見た。
そこから、この深刻な問題についての大事な話し合いが始まった。
地雷問題ではやはりカンボジアが最も大変な事。被害に遭った人々の義手・義足の事。
学校を作って、文字の読み書きを教える大切さ。子どもの人権。
私が問題意識を持って見ていたドキュメンタリーの現場の裏付け。
話題は更に広がる。
そして、そこの団体のURLを確認した。
国際協力 SHINSEN


寄付の件になって、靴下とかハンカチのセットを購入する形である事を知ったが、靴下セットでも1セット3,000円。
残念ながら、その時の私には家計に関わる出費になるので、無理だった。
ちょっと考えて、現金で1,000円の寄付をする事にしたが、現金の寄付は受けられない事になっているとの事で、その方も考えてくれて、セットから1足を出してその代わりにするという。
なんか申し訳ない。セットで初めて寄付用になれる商品なのに・・・
けど、お世辞なしでこちらも寄付を出した。それに答えてくれたのだから、応じる事にした。
そして、団体確認ができる「IDカード」の作成・所持の助言をした。
こんなご時世、警戒されるのは当然なので、「IDカード」を見せて街頭募金活動をしていた団体を想い出したからだった。


そのあと、その方は去って行かれたが、少しして、近所の一軒家を回っている声が聞こえた。
私のように認識している人は大変少ないと言われた時は驚いたが、だったら、世の中が悲しい。
この前のスマトラ沖地震津波でも、ある地域では地雷原にまで津波が押し寄せて、流された対人地雷が把握できなくなって危険な状態になっているとも聞く。
しかも、新たに設置されている所もあるらしい事を知ったのには衝撃を受けた。
戦争や紛争が終わったにも関わらず、その時の「兵器」で無関係な民間人が被害を受け続けている。
あまりにも、やるせない。